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健康と油|安全な外食と危険な外食アレルギーを引き起こすトランス脂肪酸の怖さ

インド雑学

トランス脂肪酸は、一部を除き自然界には存在しません。

工業的に水素を付加し不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸を作り出す時に副産物として生じた脂肪酸で、体内で代謝されずに体内に留まり生理作用を撹乱します。

これがアレルギーや神経障害を悪化させます。

まず、脂肪酸の幾何異性体による分類を見てみましょう。

  • シス型
  • トランス型(トランス脂肪酸)

天然の不飽和脂肪酸はシス型です。シス型は体内で代謝されて生理活性分子に変換されます。

トランス型はトランス脂肪酸とも呼ばれ、一部を除き自然界には存在せず、工業的に水素を付加し不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸を作り出す時に副産物として生じた脂肪酸です。

反芻動物では腸内細菌の働きでトランス脂肪酸が作られるため、肉や乳脂肪に微量に含まれます。しかし、工業的に生成したトランス脂肪酸と自然界のトランス脂肪酸では生体への影響は異なるのではないかという指摘もされています。

トランス脂肪酸の様々な問題

一方、トランス脂肪酸は体内で代謝されずに体内に留まり生理作用を撹乱します。これがアレルギーや神経障害を悪化させます。

細胞膜のリン脂質は不飽和脂肪酸で作られており、シス型の脂肪酸を必要とします。

トランス脂肪酸を摂取すると、細胞膜構造の内部にトランス型の脂肪酸が入り込んでしまいます。これがアレルギー症状などさまざまな問題を引き起こします。

血管内皮、気道粘膜、消化管粘膜、皮膚などのあらゆる細胞に影響を与えます。細胞が正しく機能しなくなると病気を引き起こします。

トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血液中のLDL(悪玉)コレステロールの増加と共に、HDL(善玉)コレステロールが減り、冠動脈疾患の原因にもつながります。

  • コレステロールを上昇
  • LDLを上昇
  • 炎症反応を増加(IL6やCRPを増加)
  • 血管内皮を損傷
  • 気管支喘息
  • アレルギー疾患(アレルギー性鼻炎やアレルギー性皮膚炎など)
  • 胎児、乳児の発達阻害
  • 認知症

トランス脂肪酸を避けるには?

  • 水素添加で硬化した油脂
  • 高温で精製した植物性油脂

水素添加で硬化した油脂

化学処理を行い作り出した人工油の加工食品です。これには7%から1割を超えるトランス脂肪酸が含まれています。

マーガリン 出典:Wikipedia
  • マーガリン(およそ7%)
  • ショートニング(およそ13%)

参考:http://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf

高温で精製した植物性油脂

サラダ油のほとんどは大豆油で、肝臓に脂肪酸が蓄積しやすく、肥満や糖尿病の原因につながります。

およそ2%から5%くらいのトランス脂肪酸が含まれているものと考えてください。

  • エコナ(5.2%)
  • 大豆油(およそ2%程度)

揚げ物

主にチェーン店などの圧倒的多店舗展開の飲食店では揚げ物を各店で作らない店も多く、コストを抑えるためにセントラルキッチンと呼ばれる工場で一元的かつ工業的に生産しています。

また、揚げ物を主体とした飲食店でも油が大きなコストとなります。そのため、揚げ油をできる限り長く使用する必要があります。

調理過程で定期的にショートニングを加える事で食感を維持することができ、油が黒く劣化しても長期的に使用することができるのです。

安全に外食するコツ

このように栄養や健康面に目を向けると外食は避けたほうがいいと考えてしまうのは当然です。

そこで安全な食べ物を提供している飲食店を選ぶヒントをご紹介します。

  • 個人店である
  • 無着色・無添加と謳っている
  • 原料に加工品を使っていない
  • 揚げ油をメインとしていない

飲食店には運営規模に関わらず原料表示義務がありません。発がん性のある化学的に合成された成分の添加があっても一切記載する必要がありません。

この点ではコンビニで売られているお弁当よりも外食のほうが、食品の安全性の確認が難しいという事です。

チェーン店では国内産という表示や産地についての記載が多いのは、低コスト・大量仕入れを得意とする大手の強みであるからです。

一方で、それだけが食の安全性・透明性としてお客様に伝えられる唯一の事実となります。

冷凍野菜は不使用であるとか、保存料を一切使わないといった栄養面や原料へのこだわりを積極的に開示することは健康意識の高まっている今では大きなセールスポイントです。

しかし、健康面でのメリットを謳わないのはそれを謳える事実がチェーン店にはないからです。一方で個人店にはチェーン店が実現できない事実をセールスポイントとしてお客様に伝える事が大きな強みとなります。

無着色・無添加といった安全面や原料へのこだわりをしっかり伝えている個人店は安全性が高いといえます。

体にいい油とは?

メディアの情報にはオリーブオイルが体にいいという話もあれば、ごま油が体にいいという話もあります。また動物性のギーが体にいいという話もあります。

EPAやDHAをサプリで補うことが必ずしもいいとも限りません。

オリーブオイルが欧米人の体質には合うが、日本人には合わないという話もあります。学術論文は限定的なデータで発表されることが多々あるのです。

そういった議論は今後の栄養学の進歩で良し悪しが覆されることもありますから、自ら情報を検証して取捨選択していかなければなりません。

監修:岐阜大医学博士・杉浦康介

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