インドでは生まれるとすぐ占い師に子供の人生を占ってもらいます。その子の健康運や結婚や仕事など将来起こりうるあらゆるライフイベントを事前に把握し、人生のみちしるべにするのです。
インドでは病気や転職、起業、結婚の相性診断など個人、会社、国などの大事な決断が必要な場面に占いを活用するのが一般的です。
5000年の歴史を持つインド占星術「ジョーティシュ」は、同じく5000年の歴史を持つインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」と深く関係している科学だったのです。
JYOTISH(ジョーティシュ)とは?
インド占星術のことをヒンディー語で「ジョーティシュ」と呼びます。
インド占星術は「ヴェーダ」を基に誕生しました。ヴェーダとは5000年の歴史を持つインド大陸に伝わるインドの根底に流れている哲学でもあり、知識の集大成でもあります。
元々は口伝で伝承されてきた様々な知識で紀元前1000年頃には書にまとめられたとされています。
その中には天文、薬草、医学など科学的知識から宗教を含む文化的なものまで様々記述されています。
以前、以下の記事でもヴェーダについて触れました。
ヴェーダを基とした食についてはこちらで紹介しました。
インド占星術は天体の位置や相互関係などを基に星が人生に及ぼすとされる影響を読み解く科学の一種です。
インド占星術には一つの哲学があります。人も宇宙の一部であり、人も含めた自然界そのものも宇宙の一部であり、この自然界にある全てがつながりあった一つの生命体であるという考え方です。
肉体から知性、精神性までを読み解き、個人の性格から才能、人生のテーマまでも論理的に読み解くことができるため、人の内面を客観的に評価することができる。それがインド人の日常に浸透しているインド占星術なのです。
自分を読み解く
インド占星術は、西洋占星術を超える正確性を持っており、診断には生年月日だけでなく生まれた時間、分や秒まで使います。
産まれた正確な時間からその時の正確な惑星の位置関係(ホロスコープ)を割り出すことができます。その結果、わずかな時間差から双子の運命が何故異なるのかまでをも読み解くことができるのです。
インド占星術のホロスコープはこちらで無料作成ができます。
インド占星術はとても奥が深い学問で、産まれてきた自分の運命から性格や体質、将来のライフイベントの予測まで読み解けるものです。後日紹介予定です。
輪廻転生|カルマ
自分の行いは自分に返ってくる。今行った良い行いも悪い行いも未来の自分に返ってくる。これがカルマの法則です。
前世の行いが今世の人生となり、今世の行いが生まれ変わった未来の魂の生きる人生を運命づける思想が輪廻転生です。
生まれたその時から生まれ持ったカルマを基にした運命を人は生きていきますが、運命の全てがカルマによって決まるわけではありません。インド占星術では7〜8割が変えられない運命とされ、残りの2〜3割は今世の自分の意志で変えられる運命とされています。
人生のライフイベントに自分の決断や行動が伴うかによって、運命は変わる可能性は残されているということです。その時の流れを運命として受け入れるか、逆風を受け止めて魂の精神的成長を促すかは自分次第ということです。
アーユルヴェーダとインド占星術
アーユルヴェーダはヴェディックターリーの記事で少し解説しましたが、医学的知識、生命や健康について書かれた伝承医学のことで、インド占星術と同じく5000年の歴史を持つヴェーダを基にした科学知識の一つです。
アーユルヴェーダは現代医学の基礎として医学の発展に貢献しました。
研究が進む前は非科学的だとされた時期もありましたが、今では世界保健機関においてもアーユルヴェーダは認められている医学の一つなのです。
対症療法がほとんどを占める西洋医学とは大きく異なり、アーユルヴェーダは予防医学に重きを置いています。
予防という考え方は、将来のライフイベントでどのように自分が行動すべきか事前に知っておこうとするインド占星術と通じるところがあります。
アーユルヴェーダでは食事は瞑想の一つと考えられており、インドで食事がどれほど重要と考えられているかは別の記事でご紹介しました。
占星術ではどの時期に特定の病気にかかる傾向があるかを判断できます。
アーユルヴェーダにおける健康とは、体のエネルギーバランスに加えて、「心、五感、魂」が至福に満たされていることが条件とされています。五感で得られる全てに幸せを感じられている自分に気づくことが幸福とされています。
ドーシャとは?
ドーシャとは体質のことを指し、ヴァータ、ピッタ、カパの3つに大別されます。この3つは人それぞれで異なり、年齢や時間などによってもそれぞれの強弱が変化します。ドーシャは体の部位と関連しており、ドーシャバランスの偏り、崩れが病気や体調の変化をもたらします。
惑星とドーシャ
人と同じく惑星にもドーシャがあります。
惑星 | 第一ドーシャ | 第二ドーシャ | 病気 |
---|---|---|---|
太陽 | ピッタ | ヴァータ | 目・血液・神経系・がん・ウイルス感染・心臓 |
月 | カパ | ヴァータ | 精神・肥満・婦人病・泌尿器・細菌感染 |
火星 | ピッタ | カパ | ウイルス感染・目・心臓・消化器 |
水星 | ヴァータ | カパ | 不眠症・神経・高血圧・事故 |
木星 | カパ | ピッタ | 糖尿病・リューマチ・関節 |
金星 | カパ | ヴァータ | 生殖器・婦人病・腎臓 |
土星 | ヴァータ | – | 腎臓・リューマチ・関節 |
ラーフ | ヴァータ | – | 事故・外科的 |
ケートゥ | ピッタ | ヴァータ | 事故・外科的 |
例えば、火星はピッタ、土星はヴァータ、金星はカパのドーシャの傾向が強い性質を持っています。
アーユルヴェーダとインド占星術(ジョーティシュ)の知識を用いて、肉体から魂、カルマを総合的に読み解くことで心と体の病気の関連性、生まれ育った環境から受ける心理的影響、体の不調箇所の予測などができます。
例えば、誕生した時の月の位置は体質(プラクリティ)を決める要素となり、重病は発病した日と反対の位置に月がある14日目に最も深刻な危機が訪れるとされています。
また、惑星は異なる病気を支配しており、好ましくない位置にある惑星も健康に影響を及ぼすとされています。
それぞれの人生のおける病気の原因や予防に役立てることができるのです。
より詳しく学びたい方は
にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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